銀行で取り扱っている様々なローン商品。
各銀行によって取り扱っているローンなどに差はあるのですが、基本的なローンの種類を知っておけば目的別で使い分ける事も可能となります。
例えば車を購入するのにカードローンを利用することは可能ですが、目的が「車購入」という人向けのカーローンというものも存在します。
もちろん、従来のカードローンとは仕組みが異なります。
カードローンについて
カードローンとは個人向けの無担保融資のことを指し、誰でも気軽に申し込み利用することができ利用者も非常に多い商品です。
クレジットカードなどと良く間違われやすいですが、クレジットカードとは仕組みが異なりカードローンのカードをお店のスタッフに渡してもクレジット機能がないカードローンでは買い物する事はできないので注意して下さい。(カードローンとクレジットカードが一体化したカードも存在します。)
まず、カードローンでできる事は基本的にATMから現金を借入するということだけです。
フリーローンについて
よくカードローンと間違われやすいのがフリーローンです。
フリーローンは事業性資金や投機性資金以外であれば使用用途は自由なローンです。
基本的にはカードローンと変わりないように思われがちですが、カードローンとの大きな違いは「追加でお金の借入ができない」という点です。
例えば、ブランドのバックを購入するためにフリーローンを利用して50万円借りた場合、それ以上の借入はできません。後は返すのみとなります。
◇そもそもフリーローンってなに?
フリーローンは主に銀行が取り扱っている商品であり、名前の通り、使用用途を問わない自由なローンです。
外面から見るとカードローンと何が違うかよくわからない人や、そもそもフリーローンを知らないという人が多くいるようですので、まずフリーローンについて説明させて頂きます。
まず、フリーローンの最大の特徴は一度借入を行うと、その後は返済専用のローンになり追加で借入を行う事は出来ません。その為、例えフリーローンの最大限度額が500万円あり、そこから200万円を借入したとしても、追加融資ができず、返済専用ローンとなります。
しかし、同じ銀行であれば、カードローンよりも金利が低く設定されている場合が多いのもフリーローンの特徴です。
このように、「金利が低い」「返済専用のローン」という点は、おまとめローンと同じです。
◇一本化するならフリーローンの方が良い?
実際、おまとめローンよりも金利が低いフリーローンを取り扱っている銀行は数多く存在します。
イオン銀行に関しては、おまとめ・借り換えを目的とした人にフリーローンをお勧めしている銀行もあります。
イオン銀行のように、おまとめ・借り換えの為にフリーローンを提供しているのであれば、問題ありませんが、通常のフリーローンは借金一本化する事を専門に取り扱っているローンではないというポイントに注意が必要です。
確かに、おまとめローンよりフリーローンの方が低金利という場合はあります。
しかし、フリーローンは、借金一本化する事を専門としているローンではありません。
その為、多重債務者である事を前提に審査を行うおまとめローンに比べて、フリーローンの審査に通りにくいのです。
また、審査に通過したとしても、借入残高全額をまとめられるほどの限度額があるフリーローンを利用できるとは限りません。
◇フリーローンでも一本化は可能
フリーローンは借金一本化を専門とした商品ではありませんが、使用用途は自由ですので複数の借金を一本化するために利用しても問題はありません。
しかし、借金残高があまりにも高額な場合、フリーローンはお勧めできません。
銀行で取り扱っているフリーローンの上限額は500~800万円と非常に高額なものが多いのですが、多額の借金をしている人に上限額一杯のフリーローンを利用することは困難と言えるでしょう。
もし、フリーローンを利用して借金を一本化したいのであれば、最低でも他社借入残高が100~200万円ほどに抑えておく事をお勧めします。
どうしても多額の借金をフリーローンでまとめたいという場合は、一度窓口などで担当スタッフに相談してみるのも良いでしょう。
◇フリーローンまとめ
今回、頭に入れておいて欲しいのは、おまとめローンは借金を一本化する事を専門としたローンであり、フリーローンは借金を一本化する事を専門としたローンではないという事です。
しかし、おまとめ・借り換えを目的とした人にもフリーローンをお勧めしている銀行は別です。
おまとめローンよりも金利が低いフリーローンは沢山ありますが、そのフリーローンを利用して借金を一本化できるとは限りません。
確実に一本化できるローンに借り換えたいのであれば、借金一本化を専門としているおまとめローンがお勧めです。
カーローンについて
カーローンは自動車を購入する人向けのローンです。
基本的には自動車のローンはディーラーの提携ローンを組む事が多いのですが、金利が比較的に低い銀行のカーローンを組む人が最近多いようです。
確かにディーラー系のカーローンは金利がそんなに高いという程ではありませんが、銀行よりは高いと言えます。
カーローンは目的が自動車に絞られているため、金利は低めに設定されていると言われています。しかし、自動車を担保とするディーラー系のローンと違い銀行は無担保でカーローンの審査を行うので比較的に審査の通過率はディーラー系ローンより低いと言われているのも確かです。
人生最大の買い物が夢のマイホームであるのなら、人生で二番目に大きな買い物は「マイカー」でしょう。
新車ならば軽自動車でも100万円以上、ミニバンならば250万円以上は見ておかなければなりませんので、確かに大きな買い物です。
金額が大きいので一括現金払いはなかなか容易ではなく、ローンを組んで購入する方が多いです。
ローンを組んだはいいものの、他の業者で有利なローンを見つけた場合、そのローンに乗り換えることはできるのでしょうか。
⇒最近はバイクブーム!そんなときの『バイクローン』とは?おまとめ対象なの?
◇借り換えに対応しているローンか
新車のディーラーで車を購入した場合、ディーラーと提携している業者のローンを、中古車販売店の場合は信販会社のローンを組むことが多いもの。
成り行き上ローンを組むことになったとはいえ、これらのローンを借り換えることは可能です。
借り換え先として候補に挙げられるのが、銀行のマイカーローンですが、銀行のマイカーローンが借り換えに対応していることがまず求められます。
銀行のマイカーローンも、その利用目的をかなり絞っていることが多く、マイカーでも新車の購入に限ったり、車検や修理代、運転免許の取得費用などには使えなかったりする場合も多いです。
◇借り換えしてお金のメリットがあるか
消費者金融からお金を借りてそれをマイカー購入費用に充てる場合でない限り、ディーラーローンも信販会社も高金利というわけではありません。
間違いなく金利は年10%以下ですので、消費者金融などから借りるよりははるかに低金利です。
ただし、借りる金額が多いので少しでも金利が低ければ、それだけ利息も少なくなります。
銀行のマイカーローンは、金利は年5%以下のものがほとんどです。
特に、2台同時に新車を購入して、同時にディーラーでマイカーローンなどを組んだ場合には、これを1つにまとめることによって適用金利も大きく引き下げることができます。
ただし、金利以外に繰り上げ返済手数料や保証料など、発生するお金もあることには注意しなければなりません。
総合的に判断して、お得かどうかを見ましょう。
◇マイカーローンを借り換え、おまとめすると車は自分のものに
ディーラーでローンを組んで購入しても、その車は完全に自分のものとはなっていません。
車検証をよく見てみると、名義人は自分ではなくローン会社となっています。
名義人が自分でないとするならば、自分がその車を勝手に売却したり譲渡したりすることはできません。
ローン会社に許可を得なければならなく、仮に許可を得られたとしてもローンの全額返済を求められるでしょう。
銀行のマイカーローンに借り換えられれば、車の名義人は自分となります。
【驚きの事実】
ディーラーローンはローン会社名義、銀行のマイカーローンは自分名義になるので、「自分の物感」が違う!
◇おまとめにおすすめの銀行マイカーローン
では、おまとめするのにおススメな銀行マイカーローンはどれでしょうか。
まずは、静岡銀行のマイカーローンです。
地方銀行にもかかわらず全国で来店不要に対応したマイカーローンです。
ディーラーローンよりも安くなる可能性がある金利の低さはもちろんですが、限度額も1000万円、借入期間も10年といずれも余裕があります。
さらに、利用目的の幅広さもメリットで、自動車関連の付属機器や車検費用、そしてもちろんマイカーローンの借り換えにも利用できます。
条件さえ整えば、住信SBI銀行のマイカーローンも候補に挙がるでしょう。
こちらももちろん、マイカーローンの借り換えに利用できます。
金利は年1.775%~3.975%とかなり低金利なのですが、1.775%にするためには、住信SBIネット銀行で住宅ローンやカードローンの利用、またはSBI証券口座を保有していなければなりません。
この条件をクリアすれば低金利も実現可能です。
この条件を満たしているということは、マイカーローンの審査も通常よりスムーズにいく可能性が高いです。
◇まとめ|審査が厳しくなる
借り換えとなりますと、当然審査も厳しくなるでしょう。
ディーラーローンを組むことで、車両本体価格の大幅な値引きが望めるのであれば、そちらで攻めてみるのもいいかもしれません。
それはそのときの状況に合わせて申し込みましょう。
ただ、ディーラーローンとなると名義は会社名義になってしまうので、完済前に勝手に売ったりすることは出来ません。一括返済を求められることもあります。
そこは注意してくださいね。
⇒【簡単2分でできる】10個×2段階の質問でわかる!あなたのカードローンリテラシーチェック
教育ローンについて
教育ローンは使用用途が教育関係に限られているローンを指し、申込者は基本的に保護者となります。
学生本人に返済義務が発生する奨学金とは違い、教育ローンの返済義務は保護者に発生するという違いがあります。
また、金利も奨学金に比べ教育ローンの方が低めです。(第一種奨学金の場合は利息なし)借入限度額は奨学金のほうが高めです。
教育ローンの一番のメリットはいつでも申し込み審査に通れば2~3週間でお金を受け取る事ができるというポイントです。
奨学金は申し込みできるのが3~4月と決まっており、振り込みもそれから3ヶ月ほどかかるので、入学金や初年度前期の学費の振り込みは自腹になってしまう場合が多いです。
事業者ローン
金融商品に「ビジネスローン」という商品が存在することをご存知でしょうか。
主に生活資金などの利用を前提とした個人向けカードローンとは違い、事業性資金などに利用することを目的としているカードローンの事をビジネスローンと言います。
事業性資金は資金操り、開業資金、商品の仕入れ資金など、自分の持つ店舗を運営する際に必ず掛かってくる費用の事を指し、経営者にとって悩みの種となっている人も多いかと思います。
⇒カードローンの事業資金NGの理由とは?当てはまる人はビジネスローン
◇ビジネスローンのメリット・デメリットは?
基本的に事業性資金はそんなに安い金額ではなく、できれば総量規制対象外である銀行でビジネスローンを申し込みたいと考えるひとも少なからずいるのではないでしょうか。
確かに銀行には総量規制がなく、年収に関係なくお金を借りることが可能です。しかし、ビジネスローンは消費者金融やクレジットカード会社などの「ノンバンク」と呼ばれる貸金業者でも総量規制対象外である事をご存知でしょうか。
基本、総量規制の対象は「個人向け貸付」であり個人向けではなく法人向けとして提供されているビジネスローンは総量規制の対象とはなりません。
ノンバンクでも総量規制がないというのは非常にメリットとなるポイントの一つと言えるでしょう。
しかし、個人事業主の場合は資金用途が事業資金であること、確定申告書、事業計画書、資金計画などの書類を提出し、希望融資額が申し込み者の返済能力で返済可能であることが認められた場合のみ総量規制の例外として認められます。法人名義の場合は無条件で総量規制外です。
その他、申し込みから融資までの時間が非常に短い(即日融資も可能な場合がある)、銀行と比べて審査通過率が高い、無担保、保証人は必要なしといった銀行と同等、またはそれ以上のメリットをもつポイントもいくつか存在します。しかし、ノンバンクには銀行のビジネスローンと比べ金利が高い、限度額が低いなどのデメリットも存在します。
やはり銀行は金利が低いという強みがありビジネスローンも例外ではありません。また、高いところで1000万円もの利用限度額を設けている銀行に比べてノンバンクは高いところで500万円ほどの店舗がほとんどです(500万円を超える会社も存在します)。
もちろん、利用限度額が500万円だからといって500万円が借りられるわけではありません。
申し込みの際に申し込み者が提出する書類から申込者の信用情報をスコア化し、そのスコアによって申込者が利用できる限度額が会社で定めている利用限度額範囲内で決定します。その為、500万円の利用限度額を設けている会社の場合、申込者の信用情報がどんなに良くても融資してもらえる金額は500万円という事です。
◇個人向けのカードローンじゃダメ?
ビジネスローンも個人向けであるカードローンも基本的に違いはないため、ビジネスローンにこだわる必要は無いのでは?と思う人もいるかと思いますが、カードローンを利用して事業性資金を借りる行為はお勧めできません。
確かにカードローンの使用用途は基本自由となっていますが、原則事業用の資金として利用するのはNGです。その理由はカードローンとビジネスローンでは審査内容が異なるからです。
カードローンは基本、個人の信用情報をもとに審査を行いますが、ビジネスローンは申込者が経営している店舗・会社の収益や継続年数などが審査の対象となっています。
その為、カードローンを事業性資金の為に利用するのは規約違反となり、それが発覚した場合は全額一括返済を求められます。
また、カードローンのほうが審査が緩いと思われがちですが、実際に個人事業主という状態でローンを組む場合はビジネスローンの方が比較的に審査が通りやすい場合も多いので、下手にリスクを負うよりはビジネスローンを申し込んだ方が安心して融資を受ける事ができます。
まとめ~目的が決まっているローンの利用がオススメ
今回説明したローン以外にもリフォームローンや住宅ローン、ブライダルローンなど様々なローンが存在します。
基本的に使用用途が絞られているローンは金利が低めに設定されている銀行が多いため、もしその目的に合ったローン商品があれば是非利用すると良いでしょう。
しかし、使用用途が限られたローンはカードローンに比べて比較的に審査が厳しいと言われています。
やはり教育費や自動車、マイホームなどは高額な商品になるため借入金額も高額になると予測されます。
それはもちろん多額のおまとめローンや借り換えローンも同じで、融資額が大きければ大きいほど審査も厳しくなる傾向にありますので、注意が必要です。
カードローンの場合は、現金が直接手に入ることで、金利も高めに設定されています。
しかしその分融資額は100万円以下の利用がほとんどなので、住宅ローンなどに比べると審査は比較的緩いでしょう。
<ローンの主な違い>
ローン | 金利 | 審査 | 融資額 | 追加融資 |
カードローン | 高め | 緩い | 少額 | 可 |
フリーローン | 高め | 緩め | 少額 | 不可 |
カーローン | 高め | 厳しめ | 中額 | 不可 |
教育ローン | 低め | 厳しめ | 高額 | 可 |
住宅ローン | 低め | 厳しい | 高額 | 不可 |
事業者ローン | 低め | 厳しい | 高額 | ? |
※これは一部です。業者によっては違いがあります。