お金を借りていて最も怖いのが、借りたお金が返済できなくなることです。
返済不能になると、貸金業者から督促がひっきりなしに来ます。
やがて、自力では返済不可能となり、任意整理や特定調停、個人再生などの債務整理をして、それでもなお自力での返済ができないとなると、もはや自己破産しか手はありません。
自己破産はいわば「個人の倒産」といったところですが、カードローン会社が倒産をした場合はどうなるのでしょうか。
おまとめしていた会社が倒産したら?利用していたカードローン会社が倒産したら?
借りていた借金は返さなくてもいいのでしょうか?
金融業界は少し前に法律が改定されたことによって真っ二つに運命が分かれました。
消費者金融が銀行の傘下に入ったり、大きな変化が起きたのも記憶に新しいですね。
今回は、カードローンの倒産についてみていこうと思います。
カードローンの倒産は利用者にとって良いことなのでしょうか?悪いことなのでしょうか?
■最近増えてきている、カードローン会社の倒産
カードローン会社の倒産などあり得るのかと思いますが、実際にカードローン会社の倒産は増えてきています。
大手では「武富士」が知られていますが、それ以外にも中小のカードローン会社が数多く倒産しています。
その大きな要因として挙げられているのが、「グレーソーン金利の撤廃」「過払い金請求」、そして「総量規制」です。
かつては、罰則のない利息制限法には違反しているものの、罰則のある出資法には違反していない金利(グレーソーン金利)を適用する業者が多く、それによってカードローン会社は利益をあげてきました。
しかし、グレーソーン金利が撤廃されたことにより、キャッシングではなかなか利益をあげられなくなったのです。
それに加えて、グレーソーン金利で支払いすぎた利息は「過払い金」となり、貸金業者に返還請求が来ます。その支払いで大変なところに、さらに総量規制の導入によって、貸出金額に上限まで設けられてしまいました。
金利も低く多く貸し出せない上に、過払い金まで取られてしまえば、カードローン会社の資金繰りは悪化します。
それが、近年カードローン会社の倒産が増えている要因です。
■カードローン会社が倒産しても借金はチャラにならない
倒産したカードローン会社にまだ借金があるのであれば、「倒産したんだから返済する必要はなく、もしかしたら借金は帳消しになるのでは」と淡い期待を抱いている方もいるでしょう。
株式会社が倒産したら株主に資産が分配されますが、貸金業者にとって借金も立派な資産です。
株式会社の資産分配は、カードローン会社によっての借金督促に相当します。
よって、借金がチャラになることはありません。
多くのカードローン会社は「保証会社」を設定しています。
カードローン会社が倒産後の債権は、そのまま保証会社に移譲となります。
金利や返済期限は後日知らされますが、返済する相手が貸金業者から保証会社に移るだけです。
倒産には「再建型」(会社を存続させたまま再建を図る)と「清算型」(会社を債務とともに消滅させる)がありますが、前者の場合には借金も会社の資産となるため、そのまま譲渡されるのです。
⇒【47都道府県】おまとめローンの審査通過に重要な保証会社【永久保存版】
■過払い金はチャラになってしまう可能性もある
カードローン会社の借金ともいえるのが「過払い金」です。
お金を借りた側としてはぜひとも取り返したいところですが、貸金業者が倒産したら、過払い金はどうなるのでしょうか。
「再建型」の倒産であれば急ぐ必要はありませんが、「清算型」ですと事態は急を要します。
カードローン会社が倒産しても、救済措置として一定期間の間は過払い金の請求を受け付けています。
ただし、請求する人間が多いうえに、カードローン会社にもお金がありませんので、返還される過払い金も大幅に減らされる可能性が高いです。
請求が遅れると受付すらしてもらえなく、取り戻せるはずの過払い金をみすみす逃してしまうことになります。
早めに対処しなければなりません。
⇒Q.おまとめローンの前後に「過払い金請求」できる?できない?
■まとめ
カードローン会社が倒産すると、利用者にはあまりメリットがありません。
借金はチャラにならない上に、過払い金も取り戻せなくなります。経営状態が不安定な業者は利用しないということが大事になってきます。これから中小の消費者金融などは危なくなってくるかもしれません。
特に過払い金に関しては、弁護士などに依頼をして他の請求者より一歩先んじた行動をするようにしましょう。
というわけで、カードローン業者が倒産すると返さなくて済むのでは!?と思うがちですが全く違います。
借りたものはちゃんと返さなければなりませんし、状況だけでみると損していることがあります。
倒産すること目的で小さいところで借りたり、経営が不安定なところで借りるのは自分の為にはなりません。
信用のある大手消費者金融業者か、銀行カードローンを利用するのが確実だというわけです。
業者選びは慎重に行いましょう。
利用者数や口コミはある程度大切だということですね。
最近はさらに業者が増えてきたので、一つの目安にしてみてはいかがでしょうか。