多重債務に陥ると、「おまとめローン」か「債務整理」と思いがちですが、他の手段として、「多重債務ほっとライン」というものがあります。
今回はそれぞれをみていきましょう。また、多重債務になるとなぜおまとめローンの審査に通りにくくなるか、解説していきます。
■多重債務者は「おまとめローン」?「債務整理」?
「おまとめローン」とは、複数社からの借入を、一つにまとめることで、より低金利に、より返済がしやすく使いやすくしていく方法です。通常、おまとめローンは4社以上から借入していると審査が厳しくなる傾向にあります。さらに具体的に言うと、4社以上から150万円以上の借金をしていると審査にはほぼ通らなくなります。国は多重債務者の定義として5社以上から借入としていますが、実際には4社で十分審査が厳しくなります。また、「総量規制」によって複数社から年収の1/3以上借入をしている場合は審査に通らなくなります。というのも、多重債務者による複数社からの借金は、ほぼ自転車操業状態で、首が回らなくなる可能性が高いからです。
そのため、次の方法として「債務整理」を勧められます。債務整理で有名なのは「自己破産」ですが、それだけではありません。債権者と返済額や返済日を和解で折り合いをつける「任意整理」や、借金を1/5程度に減額してもらう「個人再生」、借金の減額後3年ほどかけて返済していく「特定調停」などがあります。
そして、他にも知っておいてほしい制度が「多重債務者ほっとライン」です。次の項目で詳しく紹介していきます。
■「多重債務者ほっとライン」とは何か?
そして、多重債務者を何とか救おうと活動している団体、そして行政が存在することも、誰もが知っていることかと思います。
その救済しようと活動している1つが、この「多重債務者ほっとライン」になります。
◇公益財団法人の日本クレジットカウンセリング協会が行っているカウンセリング
この手の多重債務の相談は、やはり国民生活センターだったり、消費生活センターだったりと、まずは行政が行っている窓口が頭に思い浮かびます。
他にも法テラスだったり、日本貸金業協会だったり、知名度の高い団体の名前も思い浮かべることでしょう(とはいえ…そこまで知名度が高いというわけではありませんが…)。
これらに比べると、やはり日本クレジットカウンセリング協会は、ピンと来ないとなっても致し方がないところです。
ただ、安心してください。
非常に内容の濃い相談をすることができるため、多重債務で悩んでいる人は、ぜひ頼ってみるとよいかと思います。
■具体的に…どのようなことをしてくれるのか?
「自分で借りたお金は自分で返す」というのが大前提のため、借金がなくなるわけではないことをまず念頭に置いておいてください(債務整理を勧められ…結果、借金がなくなることはありますが)。
あくまでも、相談に乗り、その解決策を模索してくれることが、具体的にしてくれることになります。
「これでは、他の相談窓口と一緒では?」と感じた人もいらっしゃることかと思います。
確かに、このような側面を持っていますが…少し毛色が違うのも事実。
その違いに関して、以下より説明をしていくため、ぜひ参考にしてみてください。
◇致し方がなく多重債務になり本気で返済を考えている人に向けた「ほっとライン」
つまり「この手の “欲” で作ってしまった債務相談は…また別の相談先に依頼をしてください」というわけです。
(そもそも扱っているジャンルが異なるため、決して切り捨てているわけではありません)
回りくどい言い方をしても、ピンと来ないかと思うため、以下に、多重債務者ほっとラインで相談をすることができる人の条件をまとめます。
・消費生活(生活をしていく上で必要な消費)の必要が生じて作ってしまった債務の場合
・作ってしまった債務に対して弁済意志があること(必ずしも債務整理になるわけではありあせん)
・債務の額が減ったり、弁済条件が軽くなれば完済をすることができる可能性がある場合
・多重債務者本人がカウンセリングセンターなどに足を運べること
以上になります。
これを見てもらえば分かる通り…「本気でなんとかしたい」と思っている人に対して、本気で何とかしてあげようと応えてくれるカウンセリングということを理解できるかと思います。
■無料相談が基本となるため…まずは相談を!
(似たような名前を使って料金を支払わせる詐欺も横行しているため、ご注意ください)
したがって、上記の条件に当てはまるのであれば、遠慮なく相談することを強くオススメします。
自分自身で、弁護士を探すとなると、非常に大変になってしまうため、この点も非常にありがたいサービスとなっているわけです。
◇100%債務整理で対応をするわけではないため安心を
住宅ローンや、自動車ローンに大きく影響を与えてしまうため、可能な限り避けたいと考えるのは至極当然のことです。
先の条件に「弁済意志があるか?」と紹介をさせてもらいました。
言葉通りの意味になるため、状況によっては債務整理を行う可能性もあるということになります。
例えば、カウンセリングをした結果、債務整理をするほどの状況ではないと判断される場合もあるわけですね。
加えて、例え、債務整理をした方がよいと結果が出たとしても、するか?しないか?は、多重債務者本人の意志が尊重されるわけですね。
したがって、「債務整理はしたくないから多重債務者ほっとラインは利用ができない」ということにはならないので、安心して相談をしてみてください。