過去に携帯電話などを分割払いで購入したが、返済が困難な月があり一度返済を滞納してしまった、またはおまとめローンの申し込みを検討しているが現在奨学金を返済している最中であり、それが原因で審査に落ちてしまうのではないかという不安を感じている人はいるのではないでしょうか。
分割払いや奨学金も言ってしまえばカードローンやキャッシュとおなじ「お金を借りている」という事には変わりありません。こういったローンに関しておまとめローンの審査にはどう響いてくるのかを説明していきますので参考にしてみてください。
携帯料金分割払いについて
カードローン・キャッシュ・クレジットといった商品を契約する際、契約者の情報は必ず個人信用情報機関に記録されます。その為、おまとめローンを申し込む際、銀行や消費者金融側は申込者が携帯電話の料金を分割して支払っているという情報を参照する事が可能です。それが審査に影響するかと言えばそうでもないのですが、返済遅延があった場合は別です。
携帯料金だけではなく、パソコンなどを分割で購入する際は「ローン契約」という扱いになり、カードローンやクレジットと同じく金利や遅延損害金が発生します。もしこの分割払いを3ヶ月以上滞納した場合、契約者の信用情報に異動情報(ブラックリストの事を指す)が登録され、遅延損害金を支払い終わり、その後5年間は新規でローンを契約する事ができなくなります。
奨学金について
奨学金とは経済的に進学後の授業料を払えずこのままでは進学ができないという学生を対象に、低金利でお金を貸し出す制度を指します。奨学金は「独立行政法人 日本学生支援機構」というところが運営しており、日本学生支援機構も全国銀行個人信用情報センター(KSC)という個人信用情報機関に加盟しています。
この時点で奨学金を借りて現在返済期間中であることが銀行側に知られてしまうと思いがちですが、奨学金は他のローンとは少し特殊で基本的に奨学金は審査で他社から借り入れている借金にカウントしないです。
例えばA社B社C社からお金を借りておりそれにプラス奨学金も借りているといった場合、銀行側は他社借入件数3件と見なす場合がほとんどだそうです。その為、奨学金の返済中でもおまとめローンの審査に一切影響はないといってもいいでしょう。
しかし、以上の事は奨学金を「問題なく返済できている」という場合に限ります。
奨学金というのは「教育ローン」と同じ位置づけであり、滞納を3ヶ月以上してしまった場合は他の金融機関と同じく契約者の記録にブラックリストを表す「異動情報」が登録されます。
その為、3ヶ月以上の返済滞納を行ってしまった場合は、例え奨学金でもカードローン・キャッシュ・クレジットといった金融機関の商品を取り扱う事ができなくなるので注意してください。
奨学金や分割払いを滞納したが現在は完済している場合
過去に3ヶ月以上の滞納をしてしまったが今は完済している場合、審査には影響しないのかという疑問ですが、答えは滞納した金額と返済遅延金を完済してから5年以上経過していれば審査に影響しません。
先ほども申しましたが奨学金や携帯料金はカードローンの借金と仕組みは同じです。一度ブラックリストに登録されれば一定の条件を満たさない限りはその情報が信用情報記録から削除される事はありません。
ブラックリストに登録される条件としては債務整理・代位弁済(本人に代わって保証会社や連帯保証人から返済を受ける事)・延滞・強制解約などが上げられますがブラックリスト入りを指す異動情報が削除される条件はそれぞれ異なります。
クレジットカードのリボ払いや分割払いにも注意
1:カードローンとクレジットカードのリボ払いは何が違う?
カードローンとクレジットカードのリボ払い、どちらも毎月返済していくというシステムですから似ているようにも思いますがどこが違うのでしょう。
・カードローンとは
まず、カードローンですが”お金を借りて商品の購入や支払いなどに使う”というものです。返済方法は契約ごとに異なってきますが、多くの場合、残高に合わせて設定された額を約定返済しながら、約定返済日以外でも随時返済することができるというシステムになっています。
これはあくまでも”お金を借りる”という行為ですので、物を購入して分割払いや翌月払いにするクレジットカードのシステムとは全く違うものとなります。
・クレジットカードのリボ払いとは?
次にクレジットカードのリボ払いですが、物を購入しその代金をクレジットカードで支払います。そして、”残高が0になるまで一定金額を支払っていく”というものです。つまり、リボ払いとはクレジットカードの支払い方法のひとつなのです。このリボ払いの最大の特徴は、購入金額いわゆる”残高”が増えても、月々の支払額が変わらないということです。購入金額や回数にかかわらず、あらかじめ設定した返済額を毎月残高がなくなるまで支払っていくという方法になります。つまり、返済の計画が立てやすく楽に返済できるというメリットがあるということになります。その一方で金利・手数料は高めの設定になっています。
つまり、カードローンとクレジットカードのリボ払いの大きな違いは
① 残高によって返済額が変わるか否か
② カードローンは金銭消費貸借であってリボ払いは分割払いの支払い方法のひとつである
という2点になります。
2:クレジットカードのリボを払えない人が急増
とても便利なクレジットカードのリボ払いですが、最近、リボ払いの返済が滞る人が急増しているそうです。月々の返済額が変わらないということは、支払いの計画も立てやすそうですがなぜ払えない人が増えてきたのでしょう。それは、リボ払いのシステムと高めの金利に原因がありました。
・ついつい使いすぎてしまう
リボ払いは、月々の返済額が一定なのが最大の特徴でありメリットでもあります。利用残高によって毎月の支払い額が変わらないので、ついついリボ払いで高額な物を購入してしまったり、今までなら躊躇していた物を購入してしまったり…と使いすぎてしまう傾向があるようです。
・金利が高い
リボ払いの金利は、概ね15%程度と高めに設定されています。そして、残高に対しての年利という形で金利が加算されていきます。当然、残高が増えれば、支払い額の中の金利が閉める金額も高くなります。つまりその分だけ元金がへりにくくなるというわけです。臼万円程度の少額の買い物を重ねた場合でも、トータルで考えるとかなりの金額の金利を支払う事になります。
もちろん、計画的に利用すれば問題はないのですが、頻繁にリボ払いを利用していると支払いをしても残高が減りませんから金利が嵩んでしまいます。
上記のような理由で、リボ払いを使いすぎてしまって支払いが滞ってしまう人もいるようです。とても、便利なリボ払いですが、使い方には注意が必要なようです。
3:リボ払いはどのくらいの金利になる?
リボ払いは”金利が高め”といいますがどのくらいなのでしょう。
主なクレジットカードのリボ払いの金利を表にまとめてみました。
クレジットカード業者 | 金利 |
オリコカード | 15.0% |
UFJカード | 15.0% |
ニコスカード | 15.0% |
DCカード | 15.0% |
三井住友カード | 15.0% |
セゾンカード | 14.52% |
セゾンゴールド・セゾンプラチナアメックス |
標準9.6% 長期・定額 12% |
JCBカード | 13.2%~15.0% |
楽天カード | 15.0% |
セディナカード | 15.0% |
アメリカンエキスプレス | 14.9% |
やはり、どのカード会社もかなり金利が高めに設定されていますね。
残高が増えると、支払い額に占める金利の額も増えますのでボディブローのようにじわじわとお財布事情が厳しくなってくるというわけです。
4.カードローンやリボ払いは上手に使おう
カードローンもクレジットカードのリボ払いも、困ったときに助けてくれるとても便利な金融サービスです。上手に使えばとても有益ですし、実際、「あって助かった」という方も多くいらっしゃると思います。
ですが、便利さの反面”金利が高く残高がゼロになるまで毎月金利がかかってくる”というデメリットもあります。カードローンやリボ払いを利用する際には「今、自分がどのくらいの残高があって金利はどのくらいなのか」をしっかりと理解した上で賢く利用するようにしたいものです。お金に余裕があるときは、リボ払いの残高を繰り上げ返済することも金利を払いすぎないコツと言えます。
最近は、カード使用時に支払い方法を”一回”と選択しても、すべてのカード利用が”リボ払い”になる自動リボというサービスもあります。自動リボに変更するとポイントプレゼント!などという特典をつけて自動リボをすすめているカード会社もあります。この場合、該当するカードの支払はカード利用時の支払い方法の選択の種類にかかわらず、全てリボ払いになります。
一回払いにしたつもりが「リボ払いになっていた!」という事もありますので、今、利用中のクレジットカードが自動リボ払いになっているかも合わせてしっかりと確認したほうがよいでしょう。
またクレジットカードのリボ払いや分割払いにも気を付けてください。
まずリボ払いと分割払いは正確にいうと違います。しかし、どちらも審査に影響しかねません。
クレジットカードはいずれもお金を借りている状態だからです。払えず延滞してしまったら、それも審査には不利になります。
【リボ払い】
毎月の返済金額を決めて払う方法
【分割払い】
支払い回数を決めて払う方法
⇒意外と知らない!「リボ払い」怖がられてるけど、しっかり理解しよう!
⇒【キャッシング】残高スライドリボルビング方式の落とし穴【返済】
まとめ|思わぬものが審査に影響しているかも
おまとめローンの審査は信用情報機関が大きく影響します。
そこに登録されるのは、携帯電話の本体の分割料金も奨学金も同じです。しかし、延滞しなければ問題はありません。「ローンを組んでいる」という扱いではなくなります。
ただ延滞すると、「支払い遅れが生じた」となります。ローン関係すべてが対象です。
奨学金の遅延の場合、滞納金+遅延損害金を完済してから5年経過しなくてはなりません。
意外と見落としがちなので、奨学金の遅れが発生していないか確認してみましょう。
審査は様々なところをみられるので、思わぬことが影響しているかもしれません。
・クレジットカードのリボ払い、分割払い
・携帯電話の割賦料金
・奨学金
などなど。
信用情報に悪い情報が記録されるとそれだけ審査に通りにくくなります。
もう一度考えてみてください。