カードローンやおまとめローンの審査をするときに、その人の信用が記載されている機関があります。
それが「信用情報機関」です。
俗にいうブラックリストに載るといった表現は、「信用情報機関に悪い情報が載っている状態」であり、実際にブラックリストというものがあるわけではありません。
今回は、その「信用情報機関」について、詳しく紹介していきます。
◆信用情報機関とは?
ズバリ、信用情報機関とは、どういったものなのでしょうか?
一言でいうと、個人が金融機関と取引した記録が載っているところです。
クレジットカード、住宅ローン、携帯電話の支払い、公共料金の支払い、など、私たちは生活の中で何気なく様々な支払いを行っています。
もちろん、その一つ一つの行動がすべて載っているわけではありません。
そのうちの特定の情報が記載されるのです。
信用情報に記載される項目は下記の行動を取ったときです。
● ローンやキャッシングに申し込んだ
● クレジットカードを契約した
● クレジットカードやローン、キャッシングの返済を行った
● 返済期日に間に合わず、料金を延滞してしまった
悪い情報だけではなく、申し込んだ時点で記録されます。
クレジットカードやローンなどによって、ある程度その人の経済状況を知ることができるものというわけですね。
◆信用情報機関の種類は?
信用情報機関は主に3つあり、それぞれ信用情報を持っています。
3つの違いは、加盟している会社の系統が主です。
それぞれクレジットカード系に強かったり、消費者金融が主に加盟していたり、業者の色が違っています。
・シー・アイ・シー(CIC)⇒クレジットカード・信託系
割賦販売法および貸金業法の両業法に基づく指定信用情報機関です。
主に加盟しているのは、クレジット会社やローンを扱う銀行、一部の消費者金融などです。
・日本信用情報機構(JICC)⇒消費者金融系
約8割の消費者金融が加盟しています。
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)⇒銀行系
銀行や銀行関連のクレジットカード会社が加盟しています。
下記は、大手の会社がどこに加盟しているかの表です。
加盟している信用情報機関 | 金融機関 |
---|---|
CIC JICC |
アイフル アコム SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス) オリエントコーポレーション クレディセゾン ジェーシービー セディナ 三井住友カード 楽天カード |
CIC 全国銀行個人信用情報センター |
三菱東京UFJ銀行 |
JICC 全国銀行個人信用情報センター |
オリックス銀行 新生銀行 住信SBIネット銀行 東京スター銀行 |
CIC JICC 全国銀行個人信用情報センター |
イオン銀行 みずほ銀行 三井住友銀行 楽天銀行 |
もしあなたがブラックの場合、事故情報が載っていない違う系列の業者で申し込めば通るというわけではなくて、3つの機関はお互いに情報交換をして事故情報も共有できるシステム(CRIN)を持っています。
つまり、一カ所でも事故情報が載ってしまっている場合は、審査に通りにくくなってしまいます。
◆金融事故とは?
信用情報機関に登録されるとブラックと呼ばれているNG行為、それが金融事故です。
金融事故情報の度合いによって新たなクレジットカードを作ったり、キャッシングしたりローンを組んだりすることが難しくなる場合があります。
ただ、事故情報として処理される行動と、特にNGとされていない行動があり、その違いをちゃんと理解できている人が少ないので、軽く紹介します。
NGとされている行動
● 大幅な延滞(クレジットカード利用料金・携帯電話などの割賦販売契約で発生する支払い代金・ローンなど)
● 自己破産などの債務整理
● 時間を空けずにたくさんのキャッシング会社に申し込む行為(申込ブラック)
NGとされていない行動
● 完済後の場合に限る、過払い金請求
● コンビニ払いの場合に限る、公共料金の滞納
● 保証人がある場合に限る、家賃の滞納
こちらで詳しく紹介しています。⇒あなたは大丈夫?ブラックリストに載る行動・載らない行動
このように、NGとされている行動とNGとされていない行動など、細かい分類があり、意外な例もあります。
意外なところでいうと、携帯料金ではないでしょうか。
携帯電話はいまやほとんどの人が持っていて身近なものです。
料金を延滞したらブラックになってしまうなんて・・・と思うかもしれませんが、実はそんな簡単にはブラックにはなりません。
NGとされているのは大幅な延滞であり、日単位ではなく数ヵ月単位のことを指しています。
何ヶ月から延滞とカウントされ、ブラック扱いになってしまうのか明確な基準はわかりませんが、多くの場合2~3ヶ月であるといわれています。
それ以上になると完全に払う気がないとみなされてしまいますので、注意してください。
⇒おまとめローンの審査で事故情報以外で嫌われるポイントとは?
◆どんな情報がどのくらいの期間残るの?
では、登録された情報は一生残るのかというと、そうではありません。
その情報によって記載される期間があり、少なくてともその期間は申込がしずらくなったり、目を付けられる可能性があります。
どんな情報がどのくらいの期間残されているのか、目安を紹介していきます。
カードローンの取引が記載される期間
カードローンやキャッシング、クレジットカードも取引すると信用情報に記載されます。
取引とは、申込→契約→返済の一つ一つの流れを意味し、状況によって記録される内容違います。
どういった内容が記録され、それはどのくらいの期間残っているのかを下記の表にまとめてみました。
申込時 | 契約時 | 返済時 | |
---|---|---|---|
記録される情報 | ● 申込先 ● 個人情報(氏名、生年月日、電話番号など) ● 申込日 ● 商品の種類(ローン・キャッシングなど) |
● 契約日 ● 契約した商品の内容 ● 契約金額(利用限度額) ● 支払回数 |
● 返済日 ● 返済予定日 ● 残高 ● 完済日 |
記録が残る期間 | 最長6ヵ月間 | 解約後、最長5年間 | 解約後、最長5年間 |
債務整理が記載される期間
債務整理の種類によりますが、記載されてから5~10年経つと金融事故情報は消えてしまいます。(⇒多重債務に陥ったらおまとめローン。ともう一つ『債務整理』を詳しく紹介)
機関によって異なりますが、債務整理の種類別にみると次のようになります。
信用情報機関 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
CIC | 登録されない | 登録されない | 5年間 |
JICC | 5年間 | 5年間 | 5年間 |
KSC | 10年間 | 10年間 | 10年間 |
なるほど。銀行が主に加盟しているKSCの記録保管期間は「10年間」と他と比較して長いため、審査が厳しいといわれているのかもしれませんね。
債務整理をした場合はこの期間、信用情報に登録されます。
それを過ぎると消えますので、また新たなクレジットカード・キャッシングなどの審査に通りやすくなるでしょう。