ブラックリストとは正しい金融用語ではなく、「金融事故記録」といいます。
「信用情報機関」に過去に延滞した記録が残っている状態だと、ほとんどの銀行のカードローンや信販会社、消費者金融系のカードローンの審査が通りません。
もし、自分が知らないうちにブラックリストに載っていたら、あなたはどうしますか?
今回は、「携帯料金の割賦について」と「奨学金について」を紹介します。俗にいうとブラックとどういった関係があるのか見ていくことにしましょう。
◆「携帯料金の割賦」とブラックリストの関係性
さて…ちなみにあなたは携帯電話は使っていますか?
いまや携帯電話はなくてはならない存在になりつつありますよね。
スマホ・iPhoneで新機種が出たらすぐに購入しなければ気が済まないなどAppleマニアな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな携帯電話とカードローンの関係性について掘り下げていきます。
携帯電話を購入するとき、本体代金を分割で購入する方も多いのではないでしょうか。
もしかすると、それがカードローンの審査に落ちる原因になっているかもしれません。
今回はそんな落とし穴について紹介していきます。
◇携帯電話料金を延滞すると知らない間にブラックリスト入り!?
本当は、知らないうちにということはありません。
カードローンなどに関しては借金意識があるものの、奨学金の返済や携帯電話の月賦料金の支払いの滞納などは、軽い気持ちで延滞してしまうことが、少なからずあるようです。
基本的に、カードローンなどの審査は信用情報機関にある情報をもとに審査します。そして、それは過去のローンなどが直で関わっています。しかし・・「携帯電話料金はローンではないのでは?」と思うかもしれません。
実は、ここに落とし穴があるのです。
例えば、携帯電話の本体の代金を毎月の使用量と合わせて分割払いにする若者が多いようですが、携帯電話の本体は借金とみなされます。(⇒携帯料金などの返済延滞、奨学金を返済中の場合おまとめローンは利用可能か)
携帯電話の本体代金を分割にしていたりすると、実際ローンを組んでいる状態になります。ローン代+携帯の使用料=請求になるのでわかりにくいかもしれませんが、分割で支払っているのでローンと判断され、その支払いが遅れることは延滞を意味します。この延滞が3ヵ月ほど続くと、借金が延滞されたのと同じように、信用情報に事故情報として載ってしまうことがあります。
カードローンの審査になかなか通らないと思っていたら携帯料金が関わっていたなんてことも・・・カードローンを借り入れようと思っても、どこの業者も審査落ちをする場合は、過去に思い当たることがないかどうかを、ふり返ってみましょう。
心当たりがない分厄介な仕組みですよね。ローンというと、住宅ローン・おまとめローンなど高額なものから、少額から借りることができるカードローン・キャッシングまで、そして忘れがちな携帯電話の本体代の分割ローン・クレジットカードのキャッシング枠など、思わぬところに落とし穴があるので気をつけてください。
いまから携帯電話を機種変更しようと思っている方、本体代を一括で買ったほうがローンを組まずに済みますよ。
◇携帯電話料金の延滞はいつからアウト!?
では、どのくらい延滞するとブラックリスト(信用情報機関)に登録されてしまうのでしょうか?
1日でも延滞したらアウトなの!?それとも1週間くらいは大目に見てくれるのかしら!?
と思う方もいるでしょう。
業者によって異なりますが、大体の目安は下記のようになっています。
1週間経つと延滞金が発生し、1ヵ月経つと利用停止に。
そして2ヵ月語には強制的に解約されてしまいます。この「強制解約」は最もヤバイ状態です。
重度のブラックだと信用情報に登録され、カードローンなどの審査が必要なものすべてでそれを見られてしまいます。
「この人はスペックは良いけどブラックになっているから落とさざるを得ない・・・」なんてことにもなりかねません。それくらい信用情報は大事ですし、ブラックに登録されるということは「よっぽど」だと判断されるのです。
よって、「1ヵ月遅れただけ」とあなたは思っていても審査の際は厳しめにされてしまいます。
携帯電話を分割で買っているかたは支払いにルーズにならないように注意しましょう。
時間経過 | 携帯電話会社のアクション | 信用情報機関への登録 |
---|---|---|
1週間後 | 振込通知書 (督促状)が届く |
延滞利息として年利14.5%の 延滞金が発生 |
2週間後 | 利用停止書が届く | |
1ヵ月後 | 利用停止 | 未払いの状態が報告される |
2ヵ月後 | 強制解約 | 契約終了の理由として 「強制解約」と登録される |
そして、信用情報にはどのように記載されるかというと、下記のように表示されます。
延滞から3ヵ月経つと「異動」というマークは重度のブラックだということを意味しています。
携帯電話料金は24か月で分割されることが多いと思いますので、月によって下記の3種類のうちのマークが記されます。
もちろん、「A」は支払いがされれば次の月は「$」マークになるので問題はないのですが、「A」の月があるのは印象としては良くはありませんね。
24か月のうち半分が「A」すなわち返済が2ヵ月に一回ペースだったらどういう印象になるでしょうか。
そういったことが一目でわかるようにマークで表しています。
ブラックにならないから延滞しても平気というわけではないんです。「A」のあるかたは印象が悪くなるだけではなく、あまりにも多いと審査に通過できなくなってしまいます。
信用情報の内容 | マーク |
支払いがされた月 | $ |
支払いが出来なかった月 | A |
延滞から3ヵ月経つと | 異動 |
しかし、一生ブラック扱いされてどんなローンも組めないというわけではありません。
ブラックは消える期間が大体決まっています。次で詳しく紹介していきます。
◇ブラック扱いが消滅するのはいつ!?
ブラック扱いが信用情報に残っている期間は最長7年とされています。
しかし、厄介なのはブラック登録されているのに気づかず、クレジットカードが更新されなかったり、住宅ローンの審査に落ちてしまったり、「なんだか審査に全然通らない・・・」という状況を知らずに作り出しているかもしれないところです。
学生時代に携帯電話代を踏み倒してしまい、強制解約されていたら新規でローンに通るのは厳しいでしょう。
30歳になって住宅ローンなどを考えていてもそれが原因で審査落ちしてしまったら嫌ですよね。
強制解約されていたらそういったことが余儀なくされます。それくらい重い罪であることを自覚しておきましょう。同様に、「債務整理」をすると信用情報に登録されます。(⇒多重債務に陥ったらおまとめローン。ともう一つ『債務整理』を詳しく紹介)
◆「奨学金」とブラックリストの関係性
◇奨学金の督促状が実家に…
実は、私の息子は大学時代に「日本学生支援機構」からお金を借りていました。
卒業後、毎月1万円あまりを10年かかって返済するといったものでしたが、ある日、私どもの実家の方に督促状がきました。
関西から東京に就職して、一人暮らしをしていたこともあり、生活も大変だったかもしれませんが、私どもで立替払いをせずに「振り込んでおきなさいよ」とだけ電話で言っておきました。
払い込んでいるものと思っていましたが、突然、連帯保証人である親の元へ債権回収会社の人がやってきて、強制執行の旨が伝えられました。
奨学金の督促はゆるやかな督促状が3回葉書で届いた後、その後突然取り立て屋まがいの人がやってきます。このギャップには驚きました。
とにかく、日本学生支援機構に連絡し事情を話し、延滞金の支払いをしました。
息子は、給料の振込先の銀行通帳と奨学金が引落される銀行通帳が違っていたからとか、なにかと言い訳をしていましたが、借金を甘く見ていたに過ぎません。
実は親の私も甘かったのです。
後日談ですが、延滞金をすぐ支払い日本学生支援機構にも連絡したので、それで解決したと思っていたのですが、3ヵ月間の滞納は致命的で、どうやらブラックリスト入りをしていたようでした。
それがわかったのは、息子からの電話で「携帯電話を新しい機種にしたいけど、お店の人が渋るので、お父さんかお母さんの名義にしたいが」云々といった連絡からでした。
親も子も奨学金の借り入れを甘く見ていました。
私たち親子のように「奨学金くらい返済が滞っても、どうってことないだろう」との安易な考えで、多くの未来ある若者が、信用情報機関に登録されているのが現実です。
滞納で登録されても延滞問題を解決すれば、奨学金の場合はだいたい3年で消滅するようですが、短いようで長い時間を憂鬱な気持ちで過ごさなければなりません。
返済が不可能な状態なら、事情によっては返済猶予や返済免除が受けられることがあるので、とにかく早めに日本学生支援機構に連絡することが大事です。
◆ブラックリスト入りしているか不明な場合は?
携帯電話の機種を変えようとしたとき、なんとなく対応がおかしいと思い、信用情報機関に問い合わせたところ、ブラックリストに記載されていたということは、意外と多いようです。
ブラックリストを確認するには、本人が直接信用情報機関に申請しますが、信用情報機関は次の3つがあります。開示手数料はそれぞれ1000円です。
・銀行系の情報機関「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」
・信販会社の信用情報機関「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」
・消費者金融の信用情報機関「株式会社日本信用情報機構」
よく理解せずにブラックリストに載ってしまったときの解決法は、知らなかったではすまされません。残念ながら、記録が消えるまで待つしかないのです。
自己破産の場合は10年残る場合がありますが、普通の延滞歴は5年で消えます。
◆公共料金を支払わないとブラックリストに載るの?
基本的に、公共料金の支払いが滞ってもブラックリストに載ることはありません。
しかし、クレジットカードを使って公共料金の支払いをしていて、3ヵ月連続で口座から引き落とせなかった場合には、そのクレジットカードのブラックリストに載ってしまいます。
返済が3ヵ月以上遅れるか、返済日から61日以上たってしまうとブラックリストに載ると自覚しておきましょう。
⇒Q.おまとめ中こそ注意!公共料金が払えなくなったら、電気・ガス・水道はいつ止まる?
⇒おまとめローンが払えなくなった!給与や預金はどのように差し押さえられるのか?
◆まとめ
ブラックリストとは信用情報に傷がついてしまった状態のことを言いますが、本人に借金の自覚がないのにブラックリスト入りしてしまうと、精神的なダメージも大きく、うつ的になる人もいるようです。
しかし、長い一生です。
これを薬と思い、その後お金に振り回されない人生を送ることが大切です。
また、お金の使い方や管理の仕方などは学校や家庭でも教えないものですが、社会の仕組みが複雑で、カードローンなどを利用する機会も多い時代です。
子どものうちから、おりにふれてお金についての教育をおこなうことも必要なようです。