現在ではほとんど聞きませんが、以前まで消費者金融は「サラ金」と呼ばれていました。
このサラ金が多かった時代、特に1980年代頃は今のカードローン・キャッシングとはまるで違っていたのです。
では、現在とサラ金時代では何が変化していったのでしょうか?
サラ金=闇金というイメージがありますが、実はそうではありません。
■怖い代名詞でもあった「サラ金」
サラ金とは「サラリーマン金融」の略なのですが、この言葉だけを見ても特に怖さを感じることはありません。
サラ金のどんなところが怖かったのかというと、取り立ての恐怖です。
取り立ては返済が滞った時に、返済の催促にサラ金の方が債務者の元に訪れるのですが、なかなか返済が出来ずに取り立てがかなり厳しくなり、取り立てに追い詰められて自らの命を断つという方も少なくありませんでした。
特に1980年~1990年代はバブル崩壊があったことで返済が難しくなった方は大勢いらっしゃいます。
さらに、サラ金は暴力団関係者とのつながりから、取り立てをそちらに任せ、暴力的に返済の取り立ても珍しくありませんでした。
このことから、サラ金は怖いものの代名詞にもなるほど恐れられていたのです。
しかし、それでも銀行からはお金を借りられないという方はサラ金を利用するしかありませんでした。
また、サラ金は現在では比較にならないほどの高利貸しをしていたのを知っていますか?
現在の上限金利は年利20%となっています。
これは賃金業法という法律で定められている数字で、この数字以上での金利貸付は禁じられています。
サラ金時代はというと、なんと100%を超えていたのです。
年利が100%ということは、1年間に借り入れたお金分の利息も返済しなくてはならないことになります。
例えば、年利100%で100万円借りたとし、返済期間を5年間とします。
元金は1年で20万円ずつ返済していけば問題ないのですが、年利が100%なので1年間で利息は100万円付くことになります。
そうなると1年間の返済総額は120万円となり、5年間でおよそ600万円を支払わなくてはならなくなってしまうのです。
今の時代でこの数字はまずありえませんし、恐らく誰も借りようとはしないでしょう。
しかし、サラ金時代はバブル期・バブル崩壊などもあったことから、そのような高金利でも借りる方は存在していました。
■転機は2006年・賃金業法の改正
1980年~1990年代はこのような高金利が続いていたのですが、2006年になって賃金業法が改正されたことにより、サラ金は「消費者金融」という名前になって、各企業ごとにイメージ戦略を図るようになりました。
ただし、この時高金利を止めない会社も出てきて、そちらは現在で言う「ヤミ金」となり現在でも高金利貸付を行っているところがあります。
以前のサラ金はどんな人でも受け入れており、その分取り立てが厳しかったのですが、現在はサラ金時代に比べると審査は厳しくなりました。
審査が厳しいことでこちらからすると借りられないというデメリットもあるのですが、借り過ぎないようにすることや、取り立てなくてもきちんと返済することが出来る人を見極めていくことになったのです。
さらに新たな顧客を取り入れるために、各企業では様々なサービスを展開していきました。
例えば、期間内に返済が完了すれば金利分がキャッシュバックされたり、審査も通り利用可能になってから30日または60日間は利息が付かなくなるという無利息キャンペーンを取り入れるようになったのです。
また、なかなかローンやキャッシングの利用がしにくかった女性から、借り入れが難しい学生など、その人の職業や性別、年齢ごとに借り入れがしやすいローンを作り、見事顧客を取り戻していったのです。
特に若い人には昔のイメージがないことや、現在人気の芸能人がCMを行っていることもあり、キャッシングやカードローンについて抵抗感のある人は少なくなっています。
全く知らずに闇金に申し込んでしまっていたら!?
闇金の勧誘と言えば街中の電柱やポケットティッシュについてくる紙の広告をイメージする人が多いのではないのでしょうか。確かにそういった広告が街には沢山ありますが、実は現代、インターネット上でも「これが闇金のサイトなの!?」と思ってしまう程クオリティの高い「なりすまし闇金」が沢山あり、それに騙されてしまう人も多いようです。
また、闇金と言えば高い金利、恐喝紛いの取り立てなどのイメージが強いですが、闇金はそれ以外にも様々な手口を持っています。
今回は、私が実際に闇金だと知らずに申し込みをしてしまった闇金の話をしていきますので参考にしてみてください。
消費者金融比較サイトにて
引っ越し資金を調達するために比較サイトで各消費者金融の金利や限度額などを調べていました。そのサイトは各消費者金融の公式サイトへ直接リンクできるようになっている非常に使いやすいサイトでした。
その中で私が選んだのはアコムです。特に金利なども詳しくなかったのでとりあえず知名度の高い消費者金融にしようと思ってアコムを選択しました。もちろんそのサイトから飛んだアコムの公式サイトは疑いようのないハイクオリティなサイトでした。
実際のサイトと比較すればすぐに気づけたのだが、特に怪しむ事もしなかったので私はそのまま申し込みフォームに行き、手続きを行いました。
申し込み後、明らかに怪しい手続き
申し込みを行ってから数時間後、私の携帯電話に電話がかかってきました。対応してくれたのはとても丁寧な口調で話す女性オペレーターでした。全く怪しさを感じませんでしたが、その後の案内で私は少し違和感を感じました。
「アコムをご利用するにあたってまずお近くのアコム無人契約機でカードの契約をしてください。その後、信用金というものが必要ですのでアコムから30万円借りて指定した口座に振り込んでください」と女性オペレーターは私に案内してくれましたが、私はその時点で怪しいと感じました。
その後も女性オペレーターの話を聞き続けました。その内容を簡単にするとまず、申込者の信用性が必要なため信用金というもので一度審査。
アコムの無人契約機で契約することで自動的にその情報が金融側に届きしっかりと案内通りの動きをしているかどうかが分かる仕組み(もちろん、詐欺なので嘘です)。
その後、30万円を金融に振り込んで審査は通過となります。
もちろんその30万円は融資開始と同時にご指定の口座にお振込みしますとの事でした。
これは典型的な振り込め詐欺だと私はすぐに気付きお金を振り込む事はしませんでしたが、相手に自分の電話番号と実家の電話番号、職場の電話番号を知られてしまいました。
その後、実家には電話で事情を話しましたが、職場には闇金に騙されましたなどと言えず話すことができませんでした。
結局、その後私以外の携帯電話に電話がかかってくる事はなかったようです。
まとめ
現在、おまとめローンやフリーローンなど便利で人気が高い金融商品が増えていますが、そういった金融機関の人気商品を装って申込者から違法にお金を騙し取る悪質な金融機関も多く存在します。
今回お話しした「なりすまし」に関しましても、大手の貸金業者なら必ず公式サイトやポスターなどに掲載している「貸金登録番号」を登録貸金業者情報検索サイトで確認すれば一発でわかるのですが、「貸金登録番号」の存在を知っている人や、知っていても実際に検索しない人は沢山いると思います。
実際に申し込んだ後に金融側からお金を振り込んでくださいという事は絶対にあり得ません。そういった旨の案内をされた場合は絶対にお金を振り込まないようにして下さい。